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セッケンのあるくらし

水道水での石けん洗濯(実践編)


水道水での洗濯の場合は、硬度の影響は少なからず出るし運命だとある程度は諦めてください。 特に、最近の洗濯機は攪拌力を押さえる・脱水を強くしない・節水使用になっている(浴比が低い)ことから、石けんを使用するにはより「とっかかりにくく」なりました。 特に攪拌力の強さは石けんの使用感を大きく左右するようです。 攪拌力が弱い上に浴比が低い状態では泡は中々たちません。 助剤を使って石けんの使用量を守って洗濯を行うことをお勧めします。

注) 全自動洗濯機の場合に限ります。 最近のドラム式は経験がないのでお答え出来ません。



1. 使用する粉石けんの量

粉石けんの量は、規定量と硬度から換算し、厳密に守る。

石けんの使用感・使用量は硬度によって左右されます。 低ければ低い程使用量は少なくて済みますが、高い場合は使用量が増え石けんカスも出ます。 石けんを投入しただけ洗い時には泡もたち、当然洗浄力も上がりますが、投入しすぎると濯ぎ時に水道水で薄まって投入した分だけ石けんカスになって始末に困ります。 よって、硬度にあわせた使用量を守ることが重要になるのです。

まずは、お住まいの硬度を知る必要があります。

硬度は水道局に電話したり、ここから調べる事が出来ます。 公の測定機関ではありませんが、つるり子さんがはじめられた「ぬる玉出張所」でもデータがあれば解るでしょう。 データが古かったり測定時期にずれがある程硬度の変化は激しいので、参考にしかならない場合もあるかもしれませんが、全然知らないよりはマシですよ。(基本的に冬場に高く、夏場に低い傾向があります。 平均硬度は春秋と考えるとピッタリかもね。)

次に、石けん液に界面活性のある状態を考えます。 硬度50以上の場所の場合は標準使用量よりは多めの石けんが必要になるのですが、石けん液が界面活性力を持ちはじめる状態とは「水面にブクブク泡がたちはじめた」状態ではありません。 洗濯機の攪拌力や洗濯物を入れた量(浴比)によって見た目の泡立ちに差異が生じます。 調子にのって粉石けんを投入しすぎると、確かに一時的に洗浄力は向上しますが、石けんカスが確実に残ります。

使用量はざっくりと考えて、「臨界ミセル×2+α」でしょう。 αは汚れ物の度合いによりますが、標準使用量の二倍なんて事はありえません。 余りに汚れ物が酷い場合は助剤によるプレ洗濯をしたり、石けんを投入するというよりは助剤を投入した方が石けんカス対策としては良いかもしれません。

※ 硬度によっては、この石けん量では洗濯物を泡が覆うという現象は起きないかもしれませんが・・・。 モコモコを目指すとこの倍の石けん量が基本になってしまう場合もあるので、お勧めできません。
2. 粉石けんを溶かす&洗いの段階

温水を使いましょう。(残り湯推奨)

冷水での石けん洗濯は厳しいです。 水道水の場合は特にね。 金属石けんの発生で洗浄力が落ちてしまう分、温度を上げる事でカバーしたい所です。 でも、改めて温水を使うと更にコストが上がってしまうので(私はそうなんだけど(^^; ) 残り湯を推奨します。

低水位攪拌でしっかり攪拌する。

一番いいのは事前に粉石けんは溶かして低水位攪拌をすること。 そうでなかったら低水位攪拌で攪拌力を上げてきっちりと溶かしましょう。 液体石けんや融点の低い融けやすい粉石けんを少量入れて攪拌し(界面活性作用を使う)、その上でパーム系の粉石けんを投入して一度泡をさっくり潰してやると溶け残りが減ります。 ホースや手などでバシャバシャして攪拌の手助けをましょう。

助剤(炭酸塩)は4割程度までが推奨です。 溶けの度合いにより泡立ちが変わります。

融点の低い油と高い油、それに炭酸塩が加わった粉石けんが「自然丸の粉石けん」「URUOI高密度」「ローブ」辺りでしょうかね。

水量を増やして、洗濯物を投入(10分程度)

低水位攪拌&ホース(手)で混ぜ混ぜをしながら水位をあげていきます。 ホース等で水面を荒らして派手でなくても泡が立つようであれば、石けん水は洗浄力を持っています。 明らかにモコモコになっていなくても洗浄力はある、という事です。 攪拌力の弱い洗濯機ほど、気付かずに石けんを投入する傾向があるようなので注意。

洗濯物を投入します。 水中を洗濯物が泳いでいる状態が絶対条件です。 これは別に石けんに限った事ではありませんが、洗浄液の中で洗濯物が動いていないのであれば、単にそれは洗浄液に洗濯物を漬け込んでいるだけの状態です。 洗いの時間は10分程度を目安にします。
2'. 洗っている途中で、泡消えが起こった場合。

水面を荒らして洗浄力チェック。

高水位にした時、水面を荒らして泡がたったのに洗濯物を投入したら水面を荒らしても泡が立たない、ちゃんと洗濯物は泳いでいるのになんで? という人は石けんを足す前に炭酸塩を足してみてください。 石けんは汚れとくっついて酸性石けんになります。(硬度成分とくっつく金属石けんとは別です。 再汚染=酸性石けんによる汚染です。) もう一度石けん水をアルカリに傾ける事で泡が復活する場合があるようです。(リトマス試験紙ぐらいあると確認しやすいかもね。) いずれにせよ、動揺して石けんを投入しすぎないこと。 水面を荒らして泡がたつのが目安になります。

また、融点の低い粉石けんは見た目の泡立ちが地味です。 攪拌のみによる泡チェックは恐らく無理。 汚れは泡ではなく、石けん液が落とすものなので、水面を荒らして泡が立つか否かで判断してください。

汚れが明らかに酷すぎると判断される場合は助剤でプレ洗濯をしておくのをお勧めします。 影響は酸性石けんのみですが、それでもかなりマシになるでしょう。

洗浄力とは無関係に、泡消えが起こりやすい場合は以下の通りです。 >「攪拌力の弱い洗濯機を使用している。」 「融点の低い、一般に溶け易いといわれる大豆油や米ぬか油を使った粉石けんを利用している。(パーム油や牛脂が使用されていない)

洗いの段階での助剤(炭酸塩)の役割は、洗浄力の手助けです。 炭酸塩が仮に水道水の硬度成分と結びついたとしても、粉石けんが投入された瞬間から作成された塩から硬度成分が溶け出して金属石けんとなります。 水中の硬度成分によって石けん分が減っちゃう訳ですが、その洗浄力をあげることで石けんの使用量を減らしているのです。
3. 洗い→一回目の濯ぎの脱水は長めに。

手動で脱水を長めに設定。

全自動洗濯機の自動コースでの脱水は短いことが多いので、脱水時間は手動であってもきっちりとってください。 四〜五分が適当かな? 洗い終了時に、石けん液をきっちり排水しておくことで、濯ぎ時に石けんカスに変化するのを少しでも防ぎます。
4. 一回目の濯ぎ。

「再汚染」防止で炭酸塩を大さじ1〜2。

金属石けんの発生はどうしようもありませんが、ともかく酸性石けんによる再汚染だけでも防ぎましょう。 そもそも炭酸塩が配合されている粉石けんでは必要ない、という話ですが、私は一回目の濯ぎ時に炭酸塩を加えています。 また、一回目の濯ぎは温水がいいようです。

ただし、デメリットを理解してください。 炭酸塩などでPHをアルカリ性に傾けることはどうやら酸性石けんだけではなく、金属石けんにも効果があるようだ、との報告があるんですけれど、衣類に対するダメージはかなり強いです。

濯ぎの時間は5〜6分。 全自動で行う濯ぎは案外時間が短いので注意。 シャワー濯ぎ機能のある洗濯機は、一回目の濯ぎに入る前にそれを活用して更に絞るといいかも。 私は残念ながら、その機能のなかった洗濯機なのでそのレポートは出来ませんが。

一回目の濯ぎで水面に石けんカスが見えるようなら、やる気があれば物理的に取り除いた方がいいかもしれません。 水面の石けんカスがなければ、取り合えずはOKかな。 また、攪拌力の弱い洗濯機を使用している人は自己責任になりますが、洗濯槽に手を突っ込んで洗濯物をかきまわしてやるとよく濯げます。(攪拌力の強い洗濯機では絶対にやらない。)

二槽式が良いと言われるのは、濯ぎをオーバーフローして水に浮きやすい石けんカスの性質を上手く利用する為なんだそうです。 二槽式の購入を考える人は、オーバーフロー出来るかどうかの確認をすると良いかもしれません。 軟水であっても、水道水であっても酸性石けんは発生します。(PHのチェックを一度してみることをオススメ。) 濯ぎの段階での助剤(炭酸塩)の役割は、再汚染の防止です。 水をアルカリに傾けて、酸性石けんの発生を防ぎます。 酸性石けんの発生を防ぐだけが目的なんだけれど、不思議と目に見える石けんカスが減少します。(これは軟水器が硬度漏れ起こした時に体験したことですが。)
5. 一回目の濯ぎ→二回目の濯ぎの脱水は出来れば長めに。

(出来れば)手動で脱水を長めに設定。

やはり、ここでもしっかり脱水しておきたい所です。 衣類の傷みは気になるけどね・・・。

二回目の濯ぎで水の状態を見てください。 まだ濁っているようであれば三回目の濯ぎが必要です。 水道水での洗濯の場合は三回の濯ぎは必要なんじゃないかな。 攪拌力が弱い場合は、自己責任になりますが洗濯槽に手を入れて補助してやってください。(この手法は本来は絶対にやっちゃいけないんだけどね。 攪拌力の強い洗濯機では絶対にしないでください。)
6. 水が透明になったらクエン酸や衣類のリンス。

クエン酸や衣類のリンスをします。

水が透明になってきたら(使用量と浴比を守ればいけるんじゃないかな。) クエン酸を投入したり、衣類のリンスを投入します。 果たしてこれで石けんカスの問題が完全にクリアできるのか? と言われると「ビミョー」といわざるを得ませんが。

水が透明になってない状態、つまり濯ぎが不完全な状態でこれをやると石けんカスを脂肪酸に変化させてしまう(脂肪酸になる量が多すぎる、とでも書けばいいのか。物事には限度って奴がね(^^; )ので、仕上がりが却ってアブラくさくなります。 見極めて判断してくださいね。
7. 最後の脱水→干します。

脱水が終わったらすぐに干す。

脱水は洗濯機にお任せです。 後は、脱水が終わったらすぐに干すだけ(゚-゚;) >匂い対策です。 濃い色柄物に白い粉が不着していたら、それは石けんカスです。 リテイクしましょう。
8. リテイク→脱水→干します。

石けんカスの目立つ衣類は再濯ぎ。

キリがないので卑怯な手段を使います。 濃い色柄物には石けんカスがつきやすい(目立つだけ、という説あり。化繊でないからなあ〜。)ので、余りに酷い場合はその衣類だけリテイクします。 洗濯物が泳ぐ浴比ギリギリ、余り低水位だと意味ないかもしれませんが、低水位で攪拌力を利用して物理的に取ります。 昔はこの手法でよくジーンズなどをリテイクしていました。

そしたら、洗濯機にお任せして、脱水後すぐに干します。 ホントにお疲れさまでした(^^;




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